数年前、あるお檀家さんから、亡くなられたご主人の愛蔵品であるビルマの竪琴が寄贈されました。ご主人は戦後ビルマで南洋真珠の養殖のお仕事をしておられました。その竪琴はかなり古びていて弦も何本か切れており、とても弾ける状態ではありませんでしたが、せっかくのお気持ちをありがたく思い、床の間に飾っておきました。ある時食事に行った店にミャンマーの女性が働いておられ、その竪琴の話をすると、千葉大学にミャンマーから留学している学生さんが竪琴を弾けるのでご紹介しましょう、と言っていただきました。ほどなくしてチー・トゥ・シェインと名乗る青年がやってきてその古い竪琴を見てくれました。現代の楽器とは違い、弦の張り方も旧式なので自分には直せないが、と丁寧に断ってから、ミャンマーのことを熱く語り始めました。
寄付金の13万円は、かの国では日本人の想像を超えた大変な金額と受け取られました。一人の孤児が一年間に必要とする生活費教育費は日本円でおよそ1万円です。理事の方や先生方と話し合いを持ち、この寄付金でろうそくを作る機械を購入して、そのろうそくを町の商店に卸し、利益を子供たちの教育資金にすることが決まりました。ラベルはシェインさんが、春慶寺の普賢菩薩の乗り物である白い象と白い蓮の花をデザインしてくれ、販売が始まって間もないのですが、既に少しづつ利益が上がるようになってきました。
パラヒタ孤児院は町はずれにあり、その存在を知らない人も多くいるとのこと、そこで地元との交流を深くして多くの人の理解と支援を得るために、この2月に「運動会」を計画しています。88年の政変後、大勢の人が集まることは禁止されていますので、現在様々な有力者の理解を得るために奔走しています。将来は子供たちのサッカーの交流試合や隣接する老人ホームとの交流も計画しています。34エーカーの緑に包まれた広大な敷地に58人の男の子が生活していますが、ここに女の子はいません。理事や先生に伺っても、女の子の孤児についての情報は無きに等しいものでした。このパラヒタ孤児院の運営を軌道に乗せることができたら、なんとしても女の子の孤児院を作りたいと願っています。
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