住職のお話し

21)世界一のタワーの街

春慶寺住職

 この春慶寺のすぐ目の前に建築中の東京スカイツリーは、現在高さ三百メートルを超え、総高六百三十四メートルのおよそ半分まで無事に組み立てられました。寺の前の浅草通りの歩道は電柱を地下に埋設し、カラー舗装化の工事で少々通りにくくなっておりますが、それももうすぐ完了するそうです。街は日本中、いえ世界中から集まる人々を迎える準備におおわらわですが、寺で働く私達は朝一番に周辺の歩道や植え込みの清掃をして道行く人たちに「おはようございます」とお声を掛けています。黙って通り過ぎる方もおられますが、最近では笑顔で挨拶を返してくださる方が増えてきました。挨拶が返ってくるのは実に気持ちのよいものです。町中の人が朝箒を手に家の前の往来を掃き清め、水を撒き、互いに挨拶をする、ほんの少し前までは当たり前の事でしたが、最近はトンと見かけなくなりましたね。世界一のタワーができるからといってなにも『押上』『業平』が無理して垢抜けたセンスの良いおしゃれな街にならなくてもよいと思うのです。こんな当たり前のことが当たり前に起こる街になる事を願っています。

春慶寺 トップに戻るページトップに戻る住職の話し ページトップに戻る

東京・永代供養納骨堂の春慶寺Syunkei-ji Tokyo Japan