住職のお話し

25)青海省大地震被災者義損金を届けに

春慶寺住職

 このたび青海省大地震被災者義損金として東京都東部宗務所と岡山県社協会より各十万円をお預かりし七月に現地にお届けに行ってまいりました。1980年代初めにNHKで放送された『シルクロード』でその名になじみのあった青海省でマグニチュード7.1の大地震が起こり多くの人命が失われ甚大な被害が報じられたのは、今年四月十四日朝の事でした。青海省全体では人口の約半数を占めるのが漢民族で西寧などの都市部や農耕適正地に集中して居住していますが、震源地玉樹県のあるチベット自治州では約97.5%が熱心にラマ教を信仰するチベット族です。現在は中国という国家の一省ですが、古く漢代は羌族という遊牧民が住む地で、以後随、吐蕃王朝チベット、唐、宋、西夏、オイラトモンゴル等幾多の征服の歴史が刻まれた地であります。
 空港のある省都西寧に地震による被災の様子はなく、むしろ建築ラッシュに沸き返る様な熱気があふれていました。そこから車で四時間ほど走った黄河上流域にあるラマ教本山隆務寺近くで蔵(チベット)族学生青海省大地震被災者支援団体の代表者たちと会いました。彼らは国内各大学で学ぶチベット族の学生組織で若者ならではの地道でエネルギッュな支援活動を続けています。最も被害の大きかった被災地は隆務寺からさらに車で五時間ほどかかります。偶然知り合った地元中学校の先生は、その中学では被災孤児六百人を受け入れ寄宿施設としており、政府からの援助はあるものの圧倒的に物資が不足していて、孤児となった子供たちへの物心両面への支援が必要である事などを切々と語られました。今回換金して贈呈した義援金14000元のうち半分は厳しい寒さの冬に備え、半分は孤児院、養老院、学校に配分されました。

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東京・永代供養納骨堂の春慶寺Syunkei-ji Tokyo Japan