住職のお話し

44)千人の方に「お福分け」

春慶寺住職

 墨田区向島地区では、古くから正月の七福神めぐりが行われております。ここ数年、本所地区でも七福神めぐりが出来ないものかと話し合いがもたれております。当山には日蓮聖人ご直筆の三面大黒天の絵があり、実物はおそらく関東大震災か東京大空襲で焼失したと思われますが、そこから版を起こしたお札が現在もございます。古いものですので表装して額に納め、表の普賢菩薩お参り処にご安置しております。
 江戸時代、こちらの大黒天のお札は二枚対で戴いたものだそうです。一枚は軸にして飾り、もう一枚は大切にしまっておいて、その家にとてもめでたいことが起こった時にしまっておいたお札から版を起こして二千枚刷り、二枚対で千人の方にお福分けをしたという記述が残っています。『お福分け』、何ともよい響きの言葉です。そのお札を頂いた方はまた同じように一枚を軸にし一枚をしまっておいて、その家にとてもめでたいことが起こった時に、先のお宅と同様に二千枚刷る、という事を繰り返して、きっと江戸中に広まったのでしょう。千人の方々にお分けできるほどの福が、来る年にも皆様の元に起こりますようお祈り申し上げます。

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東京・永代供養納骨堂の春慶寺Syunkei-ji Tokyo Japan