住職のお話し

47)平成から新しい年号の年に

春慶寺住職

 間もなく平成が終わりを迎えます。昭和戦後生まれの私たちが学校の社会科で習った世界地図が大きく変わった始まりが、平成元年のベルリンの壁崩壊であったかと思います。ソビエト連邦も崩壊し、新しい国が数多く誕生するなど、目まぐるしく変化する三十年でした。天文学の世界でも、冥王星は惑星ではないことになり、「水、金、地、火、木、ドッテンカイメイ」と覚えた私たち世代は、「ドッテンカイ」と覚え直さねばならなくなりました。二百五十年に一度くらいの周期で冥王星が海王星の軌道の内側を周回するときに「ドッテンメイカイ」になる楽しみが無くなったのはさびしい限りです。
 実は平成十三年からは子供の頃に夢にみていた二十一世紀になっているのに、「今は二十一世紀なのだ」という実感があまり湧かないのです。鉄腕アトムは2003年四月七日生まれだそうです。AI技術の進化は目覚ましいものがありますが、手塚治虫氏の描いた世界ほどには科学技術が進まなかったせいでしょうか。まだ、アトムやウランちゃんのようなロボットは誕生していないようです。願わくは、私の寿命のあるうちに彼らに会いたいものです。
 2019年は己亥つちのとい年です。己は成長した植物の整然としている状態を、亥は種子の中で満を持している状態を表します。九月から十一月にかけてラグビーワールドカップが日本の各地で開催され、翌2020年には東京オリンピック、2025年には大阪万博と、これまでよりも更に多くの外国からのお客様が日本を訪れます。競技場や施設などの準備は着々と進んでいますが、「日本に来て本当に良かった」と思っていただけるよう私たち一人一人がおもてなしの心の種を大きく育ててその日を迎えたいと思います。

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東京・永代供養納骨堂の春慶寺Syunkei-ji Tokyo Japan